緑茶、紅茶、ウーロン茶と同じお茶の葉から製造されていると聞いたことありますよね。
それぞれに色や味が全然違うのに、同じものってちょっと信じられない気もします。
ではこの差はいったい何で生まれるのでしょうか。風味が違って、それぞれに名前も淹れ方も別というお茶の不思議についてお伝えしていきます。
風味の違いが生まれる理由
お茶が同じ原料なのに色々な風味ができるのは、茶葉が持つ酸化酵素や加水分解酵素の働きによるものとされています。
酵素はある条件になると特定の物質を他の物質に変化させるという働きがあります。ただし、酵素自体も熱が過剰に加わると失活といって働きができないようになってしまうのです。
酵素によるお茶の葉の成分の変化と、酵素の失活による状態の違い。この2つによって多種多様なお茶ができあがるのです。
緑茶、紅茶、ウーロン茶の製造方法を比較すれば、やはりその熱が加えられるタイミングが違うことが理解できます。
お茶の工程について
緑茶の製造では、茶葉を積んだ後で短時間のうちに蒸したり、炒ることによって酵素を失活させています。色が元々の茶葉の緑が残っていることから、化学的な反応がそこまで進んでいない事が分かります。
一方で紅茶やウーロン茶ではどのような製造工程になっているかというと、摘んだ後で時間をかけて加水分解をさせるようにします。この加水分解の工程を進めることでお花のような香りに変化していくのです。
茶葉の中には元々花に似た香り成分が含まれていて、これは緑茶の中にも存在しています。ここに発酵の工程を加えることによって、増やしていく事になります。特にウーロン茶では釜で炒る前日というぎりぎりの段階まで生成し続けるような製法になっています。
お茶の香り成分も種類が豊富
お茶の香りの成分はどれくらいあると思いますか?
実は化学物質の数でみると、成分は100種類を超えるといいます。その成分は元々茶葉が特有のものももありますし、品種によるもの、栽培方法で違いが生まれるものなど多様なものになっています。
これらの香り成分のバランスによって、産地や品種特有の香りが生まれてくるのです。
ただ、特に人の鼻で感知されやすい成分の場合には、単一成分でも特徴がわかるものも存在します。緑茶でいうと「そうふう」や「藤かおり」というものの場合には、ブドウやジャスミンのような成分が含まれていて特別な緑茶のひとつとして知られています。他にも玉露などはうま味が強くなりますが、これは日照時間をコントロールして生み出されます。
まとめ
お茶の香りは奥深い。同じ産地でも取れる時期によって全然違うお茶に感じられることも多いです。
今淹れているお茶が、今回しか味わえないと思うと「一期一会」を感じてよりお茶の世界を楽しむことができるかもしれませんね。
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